信濃三十三カ所巡り4

 第18番札所までは、長野市近郊、比較的遠い筑北村でもいくつかの札所が集まっていたので行きやすかったが。第19番札所の菩提寺は、飯山市にポツンとひとつだけ独立している。なので、この日はこの一寺を目指し北上した。

 菩提寺へのアクセスは、いつも野沢温泉へ向かうルート。国道117号から千曲川にかかる赤いトラスト橋の大関橋へと右折する。さらに山の方へと入り込むが、どこか取り残された感のある集落の坂道を登っていくと、大きな仁王門が現れる。前にどうしてこんなところにこんな立派な門があるのかと不思議だったが、その先には由緒あるお寺があったからなのだ。
▲菩提寺に向かい集落を抜けていくと、立派な仁王門が出迎えてくれる

▲菩提寺に向かい集落を抜けていくと、立派な仁王門が出迎えてくれる

 神社と寺が密接な関わりを持っていた時代に、大きな力を持っていた小菅神社がそこにはあったのだ。

 小菅神社の里宮を越えると目的の菩提寺があり、さらに登っていくと行き止まりになるが、そこからは小菅神社の奥社へと続く参道が現れた。

 小菅神社の奥社へと向かう石段(石畳)の入り口にある案内板には下記のように書かれていた。

 奥社本殿は、小菅部落東方の長い杉並木の参道を登ると、山頂に近い標高約900メートルの岩壁に寄せ深い渓谷に南面して建てられている。岩壁は建物を覆い堂内には甘露池がある。
  (中略)
 小菅神社は役小角創建をを伝え、馬頭観音を本地とし、熊野、金峯、白山、立山、山王、走湯、戸隠の諸社を勧請し、八社権現を祀る。中世は小菅神社元隆寺と称し、京都禅林寺(岩王子神社の別当)の荘園に属し、戸隠、飯綱とならんで修験の道場として著名であった。

小菅神社奥社までは約1時間。杉並木に挟まれて延々と続く石段に心惹かれたが、「クマ出没注意」の立て札を見て、今度にしようと迷わず決めた。休日ならきっともっと人がいるに違いない。
▲そろそろ突き当たりと思われる道になると菩提寺がある

▲そろそろ突き当たりと思われる道になると菩提寺がある

▲菩提寺横をすり抜けるとすぐに行き止まり、小菅神社奥社の鳥居が現れる

▲菩提寺横をすり抜けるとすぐに行き止まり、小菅神社奥社の鳥居が現れる

▲鳥居右側奥に護摩堂が建つ。立派な石垣と杉木立ちがある

▲鳥居右側奥に護摩堂が建つ。立派な石垣と杉木立ちがある

 石段の脇にある護摩堂によるといよいよ菩提寺へ。

第19番菩提寺

 菩提寺は、小菅神社の鳥居を少し下がったところにある。ちょうどなにやら工事中でバタバタとしていた。

 観音堂は墓地を挟んで隣接していた。参拝しようと堂内に入ると灯りもともり、きれいにされていて、なぜか地元の人たちの愛を感じた。愛されている観音様なんだろうなとなぜか思った。
▲菩提寺の観音堂

▲菩提寺の観音堂

▲観音堂の中。片足立膝の馬頭観音は弘法大師の作と伝えられている

▲観音堂の中。片足立膝の馬頭観音は弘法大師の作と伝えられている

▲観音堂下にある文化財収蔵庫。平日は閉館

▲観音堂下にある文化財収蔵庫。平日は閉館

▲講堂。この前で「柱松柴燈神事」が3年に一度行われる。今年がその年にあたる。開催は7月17日

▲講堂。この前で「柱松柴燈神事」が3年に一度行われる。今年がその年にあたる。開催は7月17日

 参拝を終えるとハートの形をしている北竜湖のほろりにある文化北竜館の湯につかった。北竜湖はハートの形をしている湖で、その形も最上階の温泉から見ることができた。北竜湖湖岸は林道になっていて、手頃な林道走行も楽しめる。
▲文化北竜館。最上階が温泉。日帰り入浴500円

▲文化北竜館。最上階が温泉。日帰り入浴500円

▲浴室から北竜湖を見下ろせる

▲浴室から北竜湖を見下ろせる

▲北竜湖を一周する道は未舗装路

▲北竜湖を一周する道は未舗装路